抄録
バイオマスガス化プロセス開発の一環として,ゾルゲル法およびゾルゲル法と鋳型法の併用により調製されたメソポーラスジルコニアに担持されたルテニウム触媒を用いて,バイオマスを熱分解して得られるバイオオイル中の主要成分の一つである酢酸の水蒸気改質反応を試験した。ゾルゲル法で調製された触媒は,10~20 nmのジルコニア結晶子から構成されており,その粒界が10 nm程度の細孔を形成していることが示された。それらの触媒の比表面積は,触媒学会参照触媒(JRC-ZRO-2)から調製したもの(Ru/JRC-ZrO2)よりも高くなったが,鋳型法を用いることにより表面積はさらに拡大した。酢酸/水モル比=3の溶液を用いて流通法で触媒活性を試験した。硫黄を含む鋳型剤を用いた場合を除いて,調製した触媒は673 Kで酢酸水蒸気改質反応活性を示したが,鋳型剤を用いずにゾルゲル法で調製したRu/ZrO2-W触媒が最も高い水素生成活性と安定性を示した。本研究で用いたすべての触媒系において,水素生成量/二酸化炭素生成率の比は酢酸水蒸気改質反応の化学量論である2よりも小さくなっていた。これは酢酸の直接分解反応が水蒸気改質反応に併発していることを示唆している。