Journal of the Japan Petroleum Institute
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総合論文
SnP2O7系プロトン伝導体とそれらの中温作動燃料電池への応用
金 永成李 炳益日比野 高士
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2010 年 53 巻 1 号 p. 12-23

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抄録
高分子形燃料電池は100℃以下での作動が求められるため,それに起因するいろいろな課題を持っている:(1)アノード触媒に深刻な一酸化炭素被毒をもたらす,(2)過度な加湿条件を必要とする,(3)電極反応が円滑に進まないため高価な白金触媒を必要とする。近年,これらの課題を解決する目的で,中温·低湿度条件で高プロトン伝導率を示す材料の開発が盛んに行われている。この中でも,非含水系プロトン伝導体は水分がプロトン伝導に関与しないので,少なくとも原理的には100℃以上の温度域でも高プロトン伝導率を示す可能性がある。これまでに我々の研究グループでは,In,AlまたはMgをドープしたSnP2O7が150から350℃までの無加湿下でも上の要求を満たし,しかも中温作動燃料電池の電解質やイオノマーとして機能でき得ることを見出した。本論文では,SnP2O7系材料のプロトン伝導の概要,およびInドープSnP2O7を使用した中温作動燃料電池の開発状況を紹介する。
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© 2010 公益社団法人石油学会
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