抄録
Fe–K系酸化物触媒とFe–Ce–K系酸化物触媒を用いてエチルベンゼン脱水素反応を行い,Ceの添加効果を調査した。CeはFeとの共沈により添加した。少量(原子比Ce/Fe=3.0×10−5)のCeの添加で活性は顕著に向上したが,添加量Ce/Fe=2.0×10−3を越えると活性にそれ以上の変化はみられなかった。調製した触媒の反応前後のBET比表面積を測定し,さらにSEM観察,XRDにより分析した。Ceの添加により比表面積は増加することが分かった。しかしCeを添加しても,表面積あたりのスチレン収率に変化は見られなかった。SEMにより反応前後の触媒の表面形態を観察したところ,反応前後ともにCe添加触媒の方が粒径の小さい粒子が分散していることが分かった。実験結果からCeの添加は結晶成長の抑制効果があり,比表面積の増加によりスチレン収率が向上することが示された。