Journal of the Japan Petroleum Institute
Online ISSN : 1349-273X
Print ISSN : 1346-8804
ISSN-L : 1346-8804
ノート
ポリウレタン担体に固定化された細菌によるアルカン分解
松井 徹 西野 智彦
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 60 巻 3 号 p. 154-157

詳細
抄録

吸着法によりポリウレタン発泡体へアルカン分解細菌を固定化し,繰り返し分解処理について検討した。疎水性化合物を共存培養させることにより,BrevibacteriumRhodococcusPseudomonas属のアルカン分解細菌の担体への吸着が促進された。共存化合物の吸着効果は,log Pで示される疎水性パラメーターに従って促進されることが明らかとなった。アルカン分解菌による資化性を示した糖類,トリグリセリド,脂肪酸を用いてlog P値が−3.24(グルコース)から23.7(トリオレイン)の範囲で吸着効果を維持しながら増殖を示す基質について検討した結果,トリオレインが最も高い効果を示した。トリオレイン含量の高い市販油脂としてサラダオイルを使用し,最も高いアルカン分解活性を示したBrevibacterium ketoglutamicum ATCC15587の固定化菌体を用いて300時間のn-テトラデカンの繰り返し分解が可能であった。

Fullsize Image
著者関連情報
© 2017 公益社団法人石油学会
前の記事
feedback
Top