Journal of the Japan Petroleum Institute
Online ISSN : 1349-273X
Print ISSN : 1346-8804
ISSN-L : 1346-8804
総合論文
ボトムアップ法により合成される金属酸化物ナノシート—触媒および分離膜への応用—
中川 敬三
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 62 巻 2 号 p. 53-60

詳細
抄録

二次元金属酸化物ナノシートは,高比表面積や表面酸特性などの特徴を有し,固体酸触媒や光触媒などの分野で注目を集めている。ナノシートは一般にはトップダウン的な手法,いわゆる層状化合物からの"剝離法"により得られるが,ナノシートの破砕や再凝集が起こるなどの欠点があり,また高温 · 長時間の焼成や2D結晶層の剝離処理を必要とし,量産化のためには簡易な合成手法の開発が望まれている。本研究では界面活性剤を用い,金属アルコキシドの加水分解 · 重縮合反応によるボトムアップ法により,多層チタン酸ナノシートおよび単層ニオブ酸ナノシートを開発した。本手法により得られる金属酸化物ナノシートの形成プロセスや,界面活性剤による表面修飾効果を明らかとした。また,有機色素の光分解や水の光分解による水素生成に応用し,ナノシート材料と異種2Dナノシート(酸化グラフェンやMoS2)との複合化による効果的な触媒機能を発現させた。さらに,これらナノシートを積層することにより得られる積層型ナノシート膜が,水中で安定かつアニオン性色素や塩に対して高い分離機能を有し,分離膜として機能することを見出した。

Fullsize Image
著者関連情報
© 2019 公益社団法人石油学会
次の記事
feedback
Top