2020 年 63 巻 2 号 p. 89-95
メタン水蒸気改質(SMR)反応を0.1~2.0 wt% Pt/α-Al2O3触媒を用いて10 ppmのジメチルスルフィド(DMS)を含む条件と含まない条件で行った。DMSを含む場合は初期に劣化が生じるが失活には至らなかった。DMSの供給を停止すると活性は完全に元に戻った。DMSを含むガスの場合は1.0~2.0 wt% Pt/α-Al2O3触媒上のPtはシンタリングして炭素析出を促進した。このシンタリングと炭素生成挙動はSMR反応と無関係であった。一方,Pt担持量が0.1 wt%だと炭素析出は起こらなかった。これらの結果からPt/α-Al2O3触媒上には三つの活性サイトが形成されたと考えた。一つ目はDMSの影響を受けない活性点,二つ目はDMSにより活性を失うがDMSの供給を停止すると完全に再生する活性点,三つ目はSMRの活性点ではなくシンタリングしたPtがメタン分解を促進して炭素を生成する活性点である。