2020 年 63 巻 6 号 p. 336-344
水素化反応に対する金属間化合物の触媒作用について,純金属との選択性の違いを中心に検討した。金属間化合物そのものの触媒特性を明らかにするため,目的化合物の単一相からなる触媒を調製した。水素分子の活性化に対しPt3TiはPtより高活性を示した。アルキンの部分水素化に対しては,多くの金属間化合物が金属単体より高いアルケン選択性をもつことが明らかとなった。1,4-ヘキサジエンの水素化においてRhBiは,内部C=Cと比べ末端C=Cを優先的に水素化する高い位置選択性を示した。ジフェニルアセチレンの水素化において,部分水素化能をもつPd3Biと異性化能をもつRhSbを組み合わせることにより,trans-スチルベンを高収率で得た。さらに,p-ニトロスチレンの水素化においては,RhPb2が高い官能基選択性を示し,ニトロ基のみが水素化されたp-アミノスチレンを高収率で与えた。単金属との選択性の差について金属間化合物表面の規則的原子配列を基に考察した。