Journal of the Japan Petroleum Institute
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総合論文
ポリオレフィンのケミカルリサイクルの研究開発動向とチャレンジ
熊谷 将吾 中谷 隼齋藤 優子福島 康裕吉岡 敏明
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2020 年 63 巻 6 号 p. 345-364

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抄録

世界の廃プラスチック排出量は増加の一途をたどっており,リサイクルに対する期待や需要が大きな高まりを見せている。その背景では,Sustainable Development Goals(SDGs),欧州のサーキュラーエコノミー,プラスチックによる海洋汚染問題,中国を始めとするアジア各国の廃棄物輸入規制本格化などが大きな影響を及ぼしている。国内では,2019年5月より国家戦略としてプラスチック資源循環戦略が掲げられ,マイルストーンとして2030年までにワンウェイプラスチックを累積25 %排出抑制すること,2030年までに容器包装プラスチックの6割をリユース · リサイクルすること,2035年までに使用済プラスチックを100 %リユース · リサイクル等により有効利用することの達成を目指している。よって,プラスチックリサイクルを促進するための研究 · 技術開発およびそのための社会システムの基盤整備が極めて重要となっている。今後プラスチックのリサイクル量を大きく増大する上で,著者らは,熱分解法により廃プラスチックを化学原料に戻すケミカルリサイクル(フィードストックリサイクル)が,有力な技術になると期待している。本総説では,まず国内外のプラスチックリサイクルを取り巻く状況について整理した。続いて,ポリオレフィンの熱分解法によるケミカルリサイクル,特に熱分解装置開発および触媒を用いた熱分解生成物の高付加価値化に関する研究に焦点を当て研究開発動向を整理した。併せて,著者らが現在進めているケミカルリサイクルのプロジェクトを一例として紹介する。最後に,マテリアルフロー分析により,日本国内における廃プラスチックの樹脂別および産業別の排出源を調査した結果を紹介し,本総説で対象としたポリオレフィンの発生源について考察する。

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