2020 年 63 巻 6 号 p. 365-374
含浸法により調製したNiO/γ-Al2O3触媒を用いたジメチルスルフィド(以下DMS)の分解反応プロセスにおけるNi種の微細構造変化の検討を行った。調製触媒の焼成および硫化条件が触媒性能に影響を及ぼした。反応前に行う硫化処理として,H2Sで硫化した場合の方がDMSで硫化した場合と比較して分解性能が高くなった。XRD,XPS分析から活性点はNiSであることが類推された。さらに,硫化処理前後のNi種の微細構造変化をin-situ XASにより分析した結果,500 ℃焼成触媒ではNi種がNiOとNiAl2O4として約4 : 6の比で存在しており,硫化処理によって主にNiOがNiSへと硫化され,DMS分解反応の活性点となることが明らかとなった。一方,800 ℃焼成触媒ではNi種がほぼすべてNiAl2O4として存在していた。そのため,硫化後に活性点であるNiS成分の生成量は少なく,800 ℃焼成触媒のDMS分解性能は低かった。