2025 年 68 巻 6 号 p. 227-234
ゼオライトは,その骨格中への異種金属の同型置換や,金属あるいは金属酸化物ナノ粒子の担持によって構造や機能を容易に制御することができるため,触媒や吸着剤として重要な材料に位置付けられてきた。ゼオライトに賦与される機能やその程度は調製方法に大きく影響を受ける。本稿では,Siをベースとした非晶質複合酸化物を水熱処理に供して得られる特異な機能を示すゼオライト群について概説する。最初の例はGaを同型置換したMFI型ゼオライトであり,これは酸化的メタン変換において高いCO選択率を示す。AlとFeを同時にMFI型ゼオライトに導入すると,ジメチルエーテルからのオレフィン合成において長い触媒寿命を示す。Ce修飾MFI型ゼオライトとPdナノ粒子を複合化すると,低温でも酸化的メタン変換活性を示すようになり,低収率ながらエタンを与える。さらに,AlあるいはGaペアサイトを意図的に構築することも可能であり,これらは2価カチオンの捕捉サイトとして機能する。