Journal of the Japan Petroleum Institute
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総合論文
計算化学および分光学手法のインタープレイによるアンモニア燃焼触媒の解析
日隈 聡士 岩佐 豪
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ジャーナル オープンアクセス

2025 年 68 巻 6 号 p. 235-243

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抄録

再生可能かつカーボンフリーなエネルギー源として燃料アンモニアの燃焼利用が提案されている。しかし,燃料アンモニアの使用には,高い着火温度や未燃アンモニアの流出,窒素酸化物(N2O/NOx)の副生などの課題がある。これらの課題を克服するために,新しい触媒燃焼システムの開発を検討し,高性能触媒を開発した。これまでに,Al2O3粉末材料に担持されたCu,Ag,Ptの一元系および二元系からなる新しい触媒アンモニア燃焼システムが開発され,アンモニア燃焼に対する高い触媒活性,低いN2O/NOx(高いN2)選択性および高い熱安定性を示すことが報告されている。さらに,計算化学手法と分光測定技術を用いることで,開発された触媒の物理化学的特性と活性/選択性との関係,および開発された触媒上でのアンモニア燃焼の反応機構が明らかにされている。本総説では,副生する可能性がある温室効果ガス(GHG)としてのN2Oの分解反応機構を含め,これまでの関連するアンモニア燃焼触媒の研究開発を包括的に紹介する。

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