2026 年 69 巻 2 号 p. 63-69
電場アシスト触媒反応システムを適用することで,低温でも熱力学的な平衡制約を超えて,プロパン脱水素反応を進めることが可能である。本研究では電場アシストプロパン脱水素反応に高い性能を示す触媒の開発を目指し,様々な金属イオンをドープしたCeO2を担体として用いた。電場下,523 Kにおいて,Pt/Ce0.9Ga0.1O2触媒が最も高いプロパン転化率(2.3 %)とプロピレン選択性(約100 %)を示し,少なくとも5 hは炭素析出を抑制しつつ,その触媒性能を維持することを明らかにした。また,Pt/Ce0.9Ga0.1O2触媒の見かけの表面プロトン伝導度はPt/CeO2よりも高かった。これはCeO2中のCe4+イオンをGa3+イオンで置換した際に,電荷補償によって表面のプロトン密度が増加するためと考えた。電場下では表面プロトニクスがプロパンの活性化に重要な役割を果たすため,Ga3+イオンのドープによって表面プロトニクスが起こりやすくなることで,高い活性が得られたと結論付けた。