石油学会誌
Print ISSN : 0582-4664
1-ペンテンと硫化水素および元素硫黄の反応
ペンタン, 2-ペンテン, 含硫黄化合物および重合物の生成に及ぼす添加硫黄の影響
三木 康朗杉本 義一
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1996 年 39 巻 2 号 p. 103-110

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抄録
1-ペンテンと元素硫黄, 元素硫黄/酸化鉄触媒および硫化水素の反応を温度250~350°C, 水素初圧8MPaで行い, 水素化, 異性化, 重合物の生成および含硫黄化合物の生成に及ぼす共存硫黄の影響を調べた。水素化は硫化水素により促進され, 元素硫黄により抑制された。異性化は元素硫黄, 硫化水素の両者によって促進された。重合物の生成は元素硫黄により促進され, 硫化水素により抑制された。含硫黄化合物としてはペンタン-1-チオール, ペンタン-2-チオール, ペンタン-3-チオールなどのチオール類とジペンチルスルフィドなどのスルフィド類が生成した。元素硫黄と1-ペンテンの反応ではスルフィド類の生成が顕著で, 反応温度が高くなるにつれスルフィド類の収率が減少し, チオール類の収率が増大した。この系ではまずスルフィド類が生成し, それが水素化分解してチオール類になると考えられた。硫化水素と1-ペンテンの反応ではスルフィド類よりもチオール類が多く生成し, いずれの収率も反応温度とともに増大した。この系の反応ではまずチオール類が生成し, それに1-ペンテンがさらに付加してスルフィド類になると考えられた。元素硫黄/酸化鉄とペンテンの反応では, 250°Cでは酸化鉄の添加量の増加につれてスルフィド類の収率が減少し, チオール類の収率が増大し, 酸化鉄はスルフィド類を分解してチオール類を生成する反応を促進することが示唆された。一方, 350°Cの反応では酸化鉄の増加とともにチオール類の収率とスルフィドの収率の両者が増大した。この温度では酸化鉄が元素硫黄から硫化水素を生成する反応を促進し, 硫化水素とペンテンの反応によりスルフィド類の生成が促進されると考えられた。
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