環境社会学研究
Online ISSN : 2434-0618
特集 ソーシャル・イノベーションの時代の環境社会学─環境問題の“創造的解決”とは何か
「ソーシャル・イノベーションの時代」とはいかなる時代か
2つの補助線
大倉 季久
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2023 年 29 巻 p. 6-21

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抄録

本特集は,2022年12月に開催された第66回環境社会学会大会のシンポジウム「『ソーシャル・イノベーションの時代』の環境社会学――環境問題の創造的解決とは何か?」をもとにしている。環境社会学では耳慣れないテーマでもあり,それだけに本特集の執筆者でもある当日の報告者にとっても,環境社会学会でそれを報告しなければならないという意味での「緊張」があった。

とはいえ,環境問題解決は今,「イノベーションの時代」を迎えつつある。この特集では,そうしたイノベーションのなかでも「ソーシャル・イノベーション」と呼ばれる潮流を考察する。ソーシャル・イノベーションは,社会組織の変革や,そこから生まれる活動に焦点を据えたイノベーションである。近年,脱炭素技術の開発が広範,かつ急速に進行しているが,本特集で議論してみたいのは,問題解決をめぐって,これまでそこに関与してこなかった行為者も含め,多様な主体が関与し,新たな問題解決の担い手像を探りながら事業化を進める変革についてである。

こうした活動が環境問題解決の新たな前線を形成しつつある状況を,どのように理解したらいいのだろうか。ここでは,2つの補助線を引いてこのソーシャル・イノベーションの時代の輪郭を明確にしながら,環境社会学におけるその位置づけについて,見通しを示したい。

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