2018 年 63 巻 4 号 p. 211-215
薬物治療の標準化は,エビデンスに基づいて開発された疾患別の診療ガイドラインを通じて通常行われている(evidence-based medicine : EBM)。一方,近年多くの先進国では財政の悪化と医療費の高騰に悩んでおり,EBMに加え,社会的視点による新たな医療資源配分方法を模索している。その代表的な方法が,医療技術評価(health technology assessment : HTA)に基づく資源配分である。これは医療における一つのパラダイムシフトである。そのような背景から,本稿では,HTAの導入が超高齢社会の薬物療法の標準化の課題を今後どのように解決しうるか,について,効率性を追求するための費用効果分析の方法,公平性を担保するための倫理・社会的考慮の方法,などについて,先進諸国および日本で始まったばかりの工夫を紹介する。