2024 年 69 巻 2 号 p. 82-88
ChatGPT他の生成系AIの発展により国内外の図書館界では現在,レファレンスサービスへのAIの活用が研究されている。紀伊國屋書店は図書館業務アウトソーシング事業を行っているが,受託している図書館業務へのAI活用を研究しており,AIを使ったセマンティック検索エンジンKanda Searchを採用して実験を行った。国立国会図書館のレファレンス協同データベースや日本版Wikipediaの内容をKanda Searchに学習させた実験結果は,通常のキーワード検索とは異なる検索結果を表示するものであり,人間が行うレファレンス業務への補助的役割が期待できる。人間とAIとのチームレファレンスという考え方が,これからの図書館サービスとなることが展望される。