日本泌尿器科学会雑誌
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症例報告
多発性内分泌腺腫症(MEN)1型に合併した後腹膜原発カルチノイドの一例
千葉 修治沼倉 一幸里吉 清文齋藤 満堀川 洋平高山 孝一朗奈良 健平神田 壮平三浦 喜子米田 真也鶴田 大小原 崇熊澤 光明成田 伸太郎土谷 順彦佐藤 滋羽渕 友則
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2011 年 102 巻 6 号 p. 735-739

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抄録
症例は69歳,男性.家族歴から内分泌腺腫症(MEN)1型の精査をすすめられ,当院内分泌内科を受診した.CTおよび超音波検査で,後腹膜腫瘍(43mm×34mm)と副甲状腺腫瘍を指摘された.その時点で,後腹膜腫瘍の手術を希望しなかったが,3年後のフォローアップCT検査で,腫瘍の増大(55mm×50mm)を認めた.諸検査から内分泌非活性と考えられたが,悪性を否定できず,腫瘍摘除術を行った.病理組織学的診断は後腹膜カルチノイドであった.現在,術後21カ月経過したが,再発,転移を認めない.多発性内分泌腺腫症1型に合併した後腹膜カルチノイドの1例を経験したので報告した.MEN1型に合併した後腹膜カルチノイドの報告は非常に稀である.
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© 2011 一般社団法人 日本泌尿器科学会
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