日本泌尿器科学会雑誌
Online ISSN : 1884-7110
Print ISSN : 0021-5287
ISSN-L : 0021-5287
症例報告
化学療法が奏効し長期生存が得られた前立腺小細胞癌の一例
平井 勝小西 鼓齊藤 公俊鷲野 聡小林 裕野首 光弘宮川 友明
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 106 巻 4 号 p. 280-284

詳細
抄録

症例は69歳男性.2009年4月,PSA=352ng/ml,T3bN1M1b stageD2の前立腺癌と診断され,内分泌療法(CAB)を開始した.リンパ節転移は縮小し,PSAは低値のまま経過していた.2011年5月,FDG-PET/CTで腹部大動脈周囲から両側閉鎖リンパ節にかけて集積を認めた.腫瘍マーカーNSE,ProGRPが高値を示し,前立腺再生検にて小細胞癌と診断された.2011年7月から2013年2月までカルボプラチンとエトポシドの併用療法を計12コース施行した.腫瘍マーカーの上昇と新たな転移巣の出現のため,2013年4月からセカンドラインの化学療法としてアムルビシン療法を開始した.2014年8月まで計12コース施行したが,前立腺小細胞癌の治療を開始してから39カ月後に癌死した.

著者関連情報
© 2015 一般社団法人 日本泌尿器科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top