2015 年 106 巻 4 号 p. 280-284
症例は69歳男性.2009年4月,PSA=352ng/ml,T3bN1M1b stageD2の前立腺癌と診断され,内分泌療法(CAB)を開始した.リンパ節転移は縮小し,PSAは低値のまま経過していた.2011年5月,FDG-PET/CTで腹部大動脈周囲から両側閉鎖リンパ節にかけて集積を認めた.腫瘍マーカーNSE,ProGRPが高値を示し,前立腺再生検にて小細胞癌と診断された.2011年7月から2013年2月までカルボプラチンとエトポシドの併用療法を計12コース施行した.腫瘍マーカーの上昇と新たな転移巣の出現のため,2013年4月からセカンドラインの化学療法としてアムルビシン療法を開始した.2014年8月まで計12コース施行したが,前立腺小細胞癌の治療を開始してから39カ月後に癌死した.