1993 年 84 巻 4 号 p. 763-766
Pseudolymphoma とは反応性のリンパ球増殖症であり, 組織学的にリンパ球の異型性は極めて低く基本的には良性疾患である. 症例は68歳女性で左腰部痛と下腹部痛を主訴に初診. 腎部造影CTにて左腎に表面平滑で腎実質よりもやや low density の mass を認めた. 同様に眼窩部CTにて左眼窩内に mass を認めた. 諸検査においても悪性腫瘍を否定しきれないため開放性左腎生検術および左眼窩内腫瘍生検術を施行した. 病理組織学的所見にて pseudolymphoma と判明した. 術後プレドニゾロンの内服にて左腎腫瘍は縮小した. 現在なお経過観察中である.