日本泌尿器科学会雑誌
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前立腺肥大症に対する経尿道的マイクロ波高温度療法の検討
徳光 正行水永 光博金子 茂男北原 克教川上 憲裕敦川 浩之野田 剛八竹 直
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1997 年 88 巻 7 号 p. 670-676

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抄録

(目的) オリンパス社製エンドサームUMW™を用いた経尿道的マイクロ波高温度治療 (TUMT) の効果について検討した.
(方法) 前立腺肥大症患者28名に, 60分単回治療を行った. 前立腺内部が45℃以上になる領域が最大となるよう冷却水流量を毎分30mlに, また尿道表面を39℃に設定した.
(結果) 治療24週後, 国際前立腺症状スコアーで41%, QOL値で37%, 最大尿流率で53%, 平均尿流率で62%の有意な改善を認めた. 残尿量, 前立腺容量に有意な減少は認められなかった. 3名の尿閉患者はすべて4週以内に自排尿可能となった. 治療および観察期間中, 重篤な副作用はなかった.
(結論) エンドサームUMW™を用いたTUMTは, 従来の他の機種と同等な効果が得られ, 副作用も少なく, TUR-Pを施行困難な合併症を持つ前立腺肥大症患者に対しても安全かつ有用な治療法であると考えられた.

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