視覚の科学
Online ISSN : 2188-0522
Print ISSN : 0916-8273
ISSN-L : 0916-8273
総説
不正乱視の基礎と臨床研究(5-2) その他の高次収差の臨床
不二門 尚
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 29 巻 2 号 p. 52-57

詳細
抄録

単眼二重視,三重視は若年性の白内障の初期に時々認められる。水晶体の混濁が軽度であるため,屈折率の不均一性に起因する高次収差の影響が見え方に反映されるためと思われる。単眼二重視はsecondary astigmatismと球面収差の相互作用,単眼三重視はtrefoil(矢状収差)と球面収差の相互作用で説明できる。波面センサーで測定した高次収差を用いてシミュレーションした網膜像が,実際の見え方と類似していて角膜の高次収差が正常であれば,白内障の手術適応と考えられる。

著者関連情報
© 2008 日本眼光学学会
前の記事 次の記事
feedback
Top