政治哲学
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数学と詩のニヒリズムとポスト・レオシュトラウス
「テクネーと近代性の諸起源」解題
金澤 洋隆
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 26 巻 p. 86-98

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抄録

本論文はスタンレー・ローゼン「テクネーと近代性の諸起源」の解題である.そこで彼は近代性に対するプラトンの影響を「理論」と「制作」という視点から明らかにしているが,本論文ではこれらの概念が彼の著作の中でどのように位置付けられているかを明らかにすることで,その区分が近代とポストモダンの対置的理解を目指して行われていると結論づける.すなわち,「理論」と「制作」がプラトンにおいては曖昧にされていたが,デカルトにおいては完全に区別されることで近代の中核的な思考が誕生し,次に「制作」に「理論」が回収されることで,全てが人間の「制作」の産物であるというニヒリズム的思考を生み出したとローゼンは結論づけたとの見解を提示する.また加えて,「条件」と「原因」というシュトラウスの区別を導入することで,近代とポストモダンを共通に支える「科学」がこの二つの区別を同一視することで成立していることを明らかにし,彼らの見解を結びつけることがポストモダンを理解する上では重要であると結論づける.

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© 2019 政治哲学研究会
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