2021 年 63 巻 5 号 p. 1099-1105
症例は68歳男性.右下肢開放骨折で入院中に腹痛と下痢が出現し,改善しないため当科へ紹介となった.CTで遠位回腸に壁肥厚を認め,経肛門的シングルバルーン内視鏡で同部位に全周性区域性潰瘍がみられた.低アルブミン血症もみられることから99mTc-DTPA-HSAシンチグラフィを行うと,潰瘍と一致する部位に集積を認めた.虚血性小腸炎による蛋白漏出性胃腸症と診断し,保存的加療を行ったが改善しないため回盲部切除術を施行した.術後,症状や低アルブミン血症の改善が得られた.虚血性小腸炎により蛋白漏出性胃腸症が生じ得ることを念頭に置く必要がある.