日本プロテオーム学会誌
Online ISSN : 2432-2776
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総説
コバレントドラッグ創薬におけるケミカルプロテオミクスの活用
渡邉 俊佑王子田 彰夫
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2025 年 10 巻 2 号 p. 45-53

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抄録

近年,ゲノム編集をはじめとする遺伝子工学的手法の飛躍的な発展により,魅力的な創薬標的タンパク質が次々と同定されている.このような背景から,医薬品分子が標的とし得る範囲を拡大する意義は一層高まっている.しかし,疾患関連タンパク質の特定と,それらを実際に医薬品分子で標的化することの間には,依然として大きなギャップが存在する.

標的タンパク質と共有結合を形成するコバレントドラッグは,副作用への懸念から長らく積極的には開発されてこなかった.一方で近年では,標的選択性の発現,作用の持続性,薬剤耐性変異に対する有効性に加え,従来の低分子医薬品では標的化が困難であったタンパク質に対しても有効であることが示され,注目を集めている.

本稿では,今日のコバレントドラッグ開発において不可欠な役割を果たすケミカルプロテオミクスについて,その活用法と有効性について概説する.

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