日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
鶏の育成期における日周期短縮が産卵におよぼす影響
目加田 博行海老沢 昭二二村 喜久雄
著者情報
ジャーナル フリー

1974 年 11 巻 3 号 p. 86-91

詳細
抄録

白色レグホーン種の系統間交雑鶏を用いて, 育成および産卵初期の日周期を20時間に短縮して, その影響を検討した。
実験1は, 自然の照明時間の区, 自然の照明区と同じ明暗時間の比率で, 日周期を20時間にした区, 16時間照明で8時間暗黒とした24時間日周期区, 16時間照明で4時間暗黒の20時間日周期の4区を設定し, 8週齢から28週齢まで処理を行なった。
実験2は16時間照明•8時間暗黒と16時間照明•4時間暗黒の2区, 実験3は自然照明区, 16時間照明•8時間暗黒区, 16時間照明•4時間暗黒を2区の計4区を設け, 0~28週齢まで処理を行なった。なお, 実験3の16時間照明, 4時間暗黒区のうち1区は48週齢まで20時間日周期を続けた。いずれの実験も48週齢まで行ない, 次の結果を得た。
1) 初産日齢は20時間日周期としても早くならなかった。
2) 初産卵重は, 24時間日周期区の初産日齢が極端に遅れたときを除けば, 20時間日周期区が重くなる結果を示した。
3) 産卵初期 (20~28週齢) の卵重は, 20時間日周期区が1~3g常に重かった。
4) 28週齢以降の卵重については, 20時間日周期の影響は少なく, 全期間の卵重では, 20時間日周期区が若干重い傾向であった。
5) 産卵率, 飼料摂取量, 体重, 生存率などに関しては, 24時間と20時間日周期の間に差はみられなかった。

著者関連情報
© 日本家禽学会
前の記事 次の記事
feedback
Top