日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
食卵の長期保存に関する研究
8. ウズラ卵の長期保存における卵白電気泳動像の変化
田名部 尚子小川 宣子
著者情報
ジャーナル フリー

1975 年 12 巻 5 号 p. 234-237

詳細
抄録
0~12カ月間流動パラフィン塗布または無処理のまま保存したウズラ卵の卵白を, 1mA/cmの定電流で澱粉ゲル電気泳動を行い, オボアルブミン域, ポストアルブミン域, オボグロブリン域, コンアルブミン域, ポストコンアルブミン域に分離し, 蛋白質の電気泳動像の変化を調べた。
無処理ウズラ卵では, 保存によりコンアルブミン域に顕著な変化が認められ, この変化は内部卵質の低下と比較的よく一致した。他の泳動域も保存時間の経過とともに大きくなった。この変化は, 冷蔵庫に保存したものでは無調温の室内に保存したものよりも遅れて起った。
卵殼に流動パラフィンを塗布したウズラ卵では, 12カ月保存卵でも5つの蛋白質の泳動域がはっきり区別できた。流動パラフィン処理して無調温の室内に12カ月保存したウズラ卵は, 10個中8個が官能検査によって腐敗と判定されたにもかかわらず, コンアルブミン域に濃い泳動帯が認められた。
著者関連情報
© 日本家禽学会
前の記事 次の記事
feedback
Top