日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
高蛋白質飼料給与によってひきおこされる関節型痛風発症率にみられる鶏種差について
小宮山 鐵朗上野 孝志宮園 幸男
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1977 年 14 巻 1 号 p. 10-14

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抄録
1週齢時より, CP40%およびCP70%の2種類の高蛋白質飼料並びに幼雛飼料 (CP20%) を給与し, ファヨウミ, WL-F-dw, WL-F-DWの3鶏種の痛風発症率を調べたところ, ファヨウミでは, 両高蛋白質飼料給与によって脚関節に痛風結節を示す鶏が多数出現した。一方他の鶏種には, 痛風結節を示す鶏は皆無であったが, WL-F-dwではCP70%飼料区に衰弱死が多くみられた。
7週齢時の血漿尿酸値は, いずれの鶏種も高蛋白質飼料を給与することによって大幅に上昇したが, 中でもファヨウミは, CP17%飼料給与およびCP70%飼料給与のいかんにかかわらず, 常に他の鶏種より高い値を示した。
高蛋白質飼料の給与によってひき起される痛風もしくは斃死を, 高蛋白質に対する耐性を示す1つの指標と考えると, ファヨウミは供試鶏種の中で最も蛋白質耐性が弱く, 次いでWL-F-dwが弱いが, WL-F-DWのそれは強いものと判断される。
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