日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
動物性プランクトンの一種, ワムシの栄養価
吉田 実星井 博
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1978 年 15 巻 2 号 p. 64-68

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抄録
汚水処理に微生物が重要な役割をはたしているが, その副産物である活性汚泥などは, 家畜, 家禽により利用されにくく, 栄養価が低い。これらの活用をはかるために, 小動物に食べさせて, その小動物を飼料にする間接的利用法が考えられる。小動物の候補の1つとして, 動物性プランクトンが考えられる。本研究では, その1種, シオミズッボワムシ (Branchionus plicatilis) の栄養価を, 生物定量法により測定した。
シオミズツボワムシは水分を91%含んでおり, その風乾物は粗蛋白質57%を含んでいる。その蛋白価は, 第1制限アミノ酸である含硫アミノ酸を, 粗蛋白質あたり1.2%添加する場合, 114であった。
飼料と糞尿の分析により求めた窒素補正代謝エネルギーは, 風乾物1gあたり3.16kcalであった。ワムシはリンとナトリウムの含量が多いが, カルシウムは少ない。リンの利用率は90で, よく利用される。
このような成績から, ワムシは将来の養鶏用飼料資源として有望であると考えられる。
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