抄録
山口県内の4養鶏農家で飼養される鶏のふんから発生するハエ類の種類と発生数の調査並びに, 同地域産のイエバエ幼虫及びオオイエバエ幼虫の殺虫剤に対する抵抗性の検討を行い, 次の結果を得た。
1. 6月調査ではオオイエバエが全体の3/4を占め, 優先種と思われた。イエバエの発生はなかった。
2. 8月調査ではヒメイエバエ種, センチニクバエ, ヒメクロバエ, コウカアブの4種が全体の90%を占め, ヒンチニクバエ, コウカアブが8月の特徴的な種類であった。
3. 10月調査では6月, 8月調査の1/10しか発生せず, オオイエバエが半数を占めた。
4. 県内産イエバエ幼虫の殺虫刑抵抗性は, 高槻系イエバエ幼虫に比べると, 30~110倍の抵抗性の発達が認められたが, 抵抗性の特に発達した三崎系イエバエ幼虫に比べると, 感受性が高かった。
5. オオイエバエ幼虫はイエバエ幼虫に比べて, スミチオンに対する感受性が極めて高かった。