日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
初生ヒナにおけるカリウム要求量の再検討
生雲 晴久星井 博吉田 実
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1978 年 15 巻 4 号 p. 177-183

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抄録
現在の日本飼養標準として推奨されている初生ヒナのカリウム (K) 要求量は0.20%である白色レグホーン種(WL)♂, およびブロイラー (WC×WR) ♀, ♂初生ヒナに, 0.10~0.80%までの8段階のKを添加したカゼイン精製飼料を3週間給与することによって, この0.20%という要求量を再検討した。
その結果, 飼料中のK含量が, 0.15%以上であれば, ヒナがK欠乏によって死ぬことはないことが確かめられた。次に, ヒナの1, 2, 3週までのK要求量は, WLで, 各々, 0.37, 0.34, 0.34%, ブロイラーで0.30, 0.28 で0.24%あった。この結果, WL, ブロイラーともに3週までのK要求量は, いずれの週も0.20%を上回っており, 日本飼養標準で推奨されている0.20%のK含量では, ヒナの最大成長にとって不充分であることがわかった。また, ヒナのK要求量は, ヒナの成長に応じて低下する傾向があること, さらに, WLとブロイラーではK要求量に差のあることが確認された。
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