抄録
ブロイラーのケージ飼育におけるケージ床面の構造と材質が胸部水疱の発生に及ぼす影響について検討し, 次の結果を得た。
1. 胸部水疱の発生は, 網目が大きい床タイプで多く認められ, 網目を小さくすることにより本症の発生を軽減させることができた。
2. 既存のケージ床上へのビニール網シートの付設は, 予防効果が比較的優れた。しかし, 網目が1.1×1.1cmでは肥育後期に鶏ふんや羽毛の落下が不良になるため, この期間は除去するか, あるいは網目が大きく厚めのものを使用する必要がある。
3. プラスチック管や竹材で造ったスノコ構造の床タイプは, 鶏ふんや羽毛の落下が比較的良好で胸部水疱の予防効果も認められた。スノコ構造では, 床材表面の丸味, 配列の間隔等によっても差が認められた。また, 床材の太さを太くすることで本症の発生を予防でき得ることを示唆した。竹材は, 耐久性に乏しく重いので, 実用的にはプラスチック材の応用が望ましい。
4. 雄は雌に比し本症の発生率が高く, かつ重度であった。