抄録
産卵ウズラの卵巣において, F1からF5までの黄色卵胞の, 卵胞茎およびスチグマを基準とする胚盤の相対的位置関係を経時的に測定し, 卵胞発育期中に胚盤の位置がどの様に変化するかを検討した。
その結果, 卵胞が急速な発育を開始する時期では, 胚盤は卵表面のスチグマ直下を除く不特定の位置に存在したが, F3以降においては卵胞の急激な発育にもかかわらず, 卵胞茎からスチグマまでの距離がほぼ一定に保たれ, 排卵時までに胚盤はすべてスチグマから遠ざかった。
この変化は, 排卵時の胚盤の保護に役立つものと思われる。