抄録
日本鶏15品種(内種を含む),インドネシア在来鶏,及び野鶏4種について,4血液型座位並びに7蛋白質多型座位について分析した。遺伝子頻度を用いてこれらの種や品種間相互間の遺伝的距離を求め,それらの相互関係について分析した。
遺伝子頻度には幾つかの座位で特徴的な傾向がみられた。すなわち,血液型A及びB座位,アルカリ性ホスファターゼAkp座位,ポストアルブミンPas座位などでは遺伝子頻度に地理的な傾斜がみられた。また,エステラーゼEs-1C遺伝子は小型の品種で高い頻度を示した。アルブミンAlbB及びポストアルブミンPasA遺伝子は鶏各品種で高い頻度を示したが,野鶏ではAlbC及びPasaの頻度が高かった。
鶏各品種と野鶏各種間の遺伝的距離をみると,赤色野鶏が鶏に最も近く,次いで灰色野鶏が近かった。セイロン及び縁襟野鶏は鶏と遠い関係を示した。デンドログラムによる分析では,日本鶏各品種は5つのグループに細分されることができた。すなわち,(1)比内鶏,声良,蜀鶏及びシャモ系各品種,(2)チャボ,薩摩鶏及び名古屋,(3)東天紅及び尾長鶏,(4)土佐地鶏,(5)小国の5群である。インドネシア在来鶏はチャボなどの第2群に近い類縁関係を示した。