日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
鶏の視床下部糖受容器による摂食行動の調節
園田 立信児島 弘
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1984 年 21 巻 6 号 p. 313-317

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抄録
糖定常説は鶏の摂食行動の調節には適用できないと考えられてきたが,近年,側脳室へのグルコース注入は摂食を抑制することが報告された。そこで本実験では,まず,視床下部に接する第3脳室に植え込んだカニューレで慢性的に0.5mg/1μl/hrのグルコースを,皮下に植え込んだ侵透圧ミニポンプを通して7日間注入したところ,摂食量が減少することを認めた。次に,視床下部下核周辺に慢性的に植え込んだカニューレを通して,500mg/dlのグルコース2μlを注入したところ,注入後1時間の摂食行動が減退した。しかし,グルコース投与はいつも抑制効果を示すわけではなかった。以上の結果から,鶏の飽満中枢にも,高血糖を感受して摂食行動を抑制する糖受容器が存在するものと推測された。
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