抄録
岐阜地鶏の成雌5羽を用い,抱卵開始(1日の90%以上抱卵)2週間前から3週間後までの就巣時間の変化を自動的に記録し,また,この間採餌および飲水量を調べるとともに隔日に採血を実施して,血中プロジェステロン,テストステロンおよびエストラジオール濃度を測定した。
1)就巣時間は,抱卵開始の5日前より増加する傾向を示し,抱卵開始後の1日の離巣時間はわずか2時間以内であった。2)採餌および飲水量は,抱卵開始の2日前より著しく減少し,抱卵期間中における1羽当りの平均採餌量は18.8±1.2g並びに飲水量は21.9±2.1mlとなり,それぞれ抱卵開始前の27%,20%の値であった。3)血中性ステロイドホルモン濃度の平均値は,抱卵開始4日前より減少を始め,プロジェステロン濃度は抱卵開始第1日目に基礎値にまで低下していたが,一方,テストステロンおよびエストラジオール濃度は基礎値まで低下するのにさらに1~2日を要した。4)抱卵開始前1週間における就巣時間の増加と,血中性ステロイドホルモン濃度の減少との間には,プロジェステロン,r=-0.963(P<0.01),テストステロン,r=-0.895(P<0.05)およびエストラジオール,r=-0.778(P<0.05)といずれも有意な負の相関々係が認められた。5)抱卵期間中における各ホルモンの平均値は,プロジェステロン55±11~103±31pg/ml,テストステロン60±12~124±27pg/mlおよびエストラジオール29±3~55±16pg/mlの範囲で変動していた。6)産卵時(抱卵開始前第2週)の血中性ステロイドホルモン濃度に対する抱卵期間中のその値の減少率は,プロジェステロン(60%)>エストラジオール(50%)>テストステロン(40%)の関係であった。また,抱卵期間中の血中プロジェステロン濃度とエストラジオール濃度は,よく一致した変化を示しており両者の間には有意な相関々係が認められた。