日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
テトラサイクリン類の消失パターンを示す係数の再計算
吉田 實
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1985 年 22 巻 2 号 p. 73-75

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抄録
オキシテトラサイクリン1)やクロルテトラサイクリン2)などのテトラサイクリン類は,カルシウムと結合して骨に蓄積され,長期間で緩やかに放出されることが知られている。したがって,休薬飼料に切替えた後の鶏の可食部からのテトラサイクリン類の消失パターンは,速やかな前期と,緩やかな後期に区分でき,2区画モデルでよく説明される。パターンは,(1)式で説明される。
y=A1e-c1t+A2e-c2t (1)
ただし,A1とc1は,前期における初期値と消失速度を示す係数で,A2とc2は,後期における対応する係数である。
前報1,2)では,A1とc1は前期のデータから,A2とc2は後期のデータから,それぞれ最小自乗法により求め,t=0のときのy値を,実測値y0と等しくするため,y0-A2をあらためてA1とした。
この簡便法は,前期では後期の影響を無視し,後期では前期の影響を無視しているので,c1が非常に大きく,A2が非常に小さいような薬剤にのみ有効である。
そこで,全データからより正確に係数を求めるコンピュータ用プログラムを作製し,これにより再計算して表1に示し前報の係数と比較した。また,1例としてクロルテトラサイクリンの消失パターンを図1に示した。これらの結果から,両者の差はあまり大きくはないが,プログラムにより計算した係数のほうが,よりよく適合するといえる。
前期における消失速度は,プログラムによれば少し遅く推定される。共分散分析の結果によれば,オキシテトラサイクリンとクロルテトラサイクリンの前期における消失パターンは類似しているといえるので,データを合併して解析し,共通の生物学的半減期0.1日,その95%信頼区間0.14~0.08日が求められた。これに対し,後期におけるオキシテトラサイクリンの消失速度は,クロルテトラサイクリンの速度より遅かった(危険率1%)。
脛骨からのクロルテトラサイクリンの消失パターンは1区画モデルで説明され,生物学的半減期は5.4日と報告されている。後期における肝臓からのオキシテトラサイクリンの生物学的半減期が,骨からのクロルテトラサイクリンの半減期より長いことは,骨のカルシウムと結合する強さに差があり,オキシテトラサイクリンのほうが強く結合し,骨から放出されにくいことを示唆するものと考えられる。
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