日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
28時間アヘメラル明暗サイクルが産卵鶏の産卵性,卵殻質に及ぼす影響
II.卵重および卵殻質について
茨木 久美子吉田 重雄国松 豊小島 洋一
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1988 年 25 巻 2 号 p. 93-101

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抄録

15L: 9D下で飼育中のハーバードコメット産卵鶏90羽を,産卵率と卵殻厚とをできるだけ均一化した3群に分け,一週間の予備期の後,1群を対照(15L: 9D)区,他の2群はアヘメラル区の19L:9D区および15L: 13D区とし,第1実験を49週齢時より開始した。予備期および試験開始後1, 5, 9週目にそれぞれ1週間にわたって,卵質の変化を調べた。第1実験終了後,各区再び15L: 9Dに戻して約6ヶ月間飼育した後,85週齢時より第1実験と同様な方法で第2試験を行った。
第1実験,第2実験の飼料摂取量には対照区と両アヘメラル区の間に有意な差は認められなかった。しかし第1実験の各区平均飼料摂取量は第2実験のそれよりも有意に高かった。第1実験の卵重,卵黄重,卵白重はアヘメラル移行後1週目では予備期との間に有意差はみとめられなかったが,5週目,9週目では有意に大きくなった。対照区の平均値とアヘメラル区の平均値の間では有意差がみとめられたが,両アヘメラル区間の卵重,卵白重には差はみとめられなかった。第1実験の卵殻厚,卵殻重,卵殻破壊強度もアヘメラル明暗サイクル移行により値が大きくなった。とくに卵殻厚,卵殻重については,アヘメラル明暗サイクル移行第1週目より有意に大きくなった。しかし両アヘメラル区間には有意差はみとめられなかった。第2実験においていずれの測定項目にも第1実験と同じ傾向がみとめられたが,アヘメラル明暗サイクル移行後の変化や各区間の差は第1実験ほどに明確に現れなかった。

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