日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
雛のリジン要求量に対する飼料のアルギニン,グルタミン酸,塩素およびマグネシウムの影響
安藤 幹男早川 博土黒 定信
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1989 年 26 巻 5 号 p. 302-308

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抄録

雛のリジン(Lys)要求量に及ぼす飼料のアルギニン(Arg)水準およびグルタミン酸(Glu),塩素(Cl)またはマグネシウム(Mg)の過剰添加の影響について検討した。実験には白色レグホーン種の幼雛を用い,トウモロコシ,コーングルテンミール,魚粉などからなる低Lys(0.59%)-低Arg(0.70%)の基礎飼料に,L-Lys•HClを添加してLys水準を0.5~0.96%,L-Argを添加してArg水準を0.70~1.30%に調整したもの,また,Lysが0.59%と0.84%の2水準の飼料にGlu,ClまたはMgを添加したものを,1~3週齢の期間それぞれ給与した。その結果,最大の増体量はLysが0.82%,Argが1.13%,最大の飼料効率はそれぞれ0.83%と1.20%の場合に得られた。LysおよびArg欠乏による増体量および飼料効率の低下はそれぞれArgおよびLysの過剰のとき最も大きかった。Gluを6.0%添加すると,飼料摂取量が減少して増体量が低下したが,飼料効率には影響が認められなかった。Clを0.20%またMgを0.18%まで添加しても増体量,飼料効率に悪影響はなかったが,Mg添加により趾灰分が減少した。

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