日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
採卵鶏用育成ケージの大きさが雛の発育とその後の鶏の産卵能力に及ぼす影響
近藤 恭河村 孝彦奥田 誠彦広瀬 一雄
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1990 年 27 巻 2 号 p. 128-135

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抄録
採卵鶏の育成用ケージについて,異なる大きさのケージを用いて検討した。間口を90cm, 67.5cm,45cm,奥行を60cm, 45cm, 30cmとした高さ45cmの9種類のケージを使い,飼育密度を450cm2/羽に一定として,1ケージ当たり3~12羽を収容した。7週齢より19週齢まで育成したが,10週齢からは飼料を自由摂取するものと制限給餌するものに2分した。なお,90cm×60cmのケージに8羽を収容し,従来の飼育密度675cm2/羽として育成した鶏を対照とした。
その結果,雛の発育はケージの間口よりも奥行によって生じる影響の大きいことが知られた。自由摂取により奥行30cmのケージで育成した鶏の20週齢体重は60cmケージの場合より大きく,制限給餌による育成ではケージ奥行による平均体重の差は認められなかったが,個体差が小さくなり斉一化された。悪癖による被害も奥行30cmのケージにおける発生が少なかった。
育成した鶏の産卵,卵重,飼料摂取量,飼料要求率,体重及び生存率を60週齢まで調べたが,育成方式による差は認められなかった。
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