日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
主成分分析による赤色野鶏および家鶏12品種の骨格の比較
III.後肢骨
鮫島 正道
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キーワード: 主成分分析, , 品種差, 後肢骨
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1990 年 27 巻 2 号 p. 142-161

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抄録
赤色野鶏および家鶏12品種の後肢骨の計89部位の計測をおこない,主成分分析によって品種間の比較を試み,次の成績をえた。(1)第1主成分(大きさの因子と解釈された)によって小型(赤色野鶏,シブライトバンタム),中小型(ファイオミ,小国,白色レグホーンS系統および褐色レグホーン),中大型(オーストラロープ,白色レグホーンB系統,タイワン地鶏名古屋Y系統,名古屋K系統,トカラ地鶏)そして大型(ロードアイランドレッド)の4群に区分された。(2)第2主成分(形の因子と解釈された)では細型(赤色野鶏),太型(褐色レグホーン,ファイオミおよびロードアイランドレッド),他は中間型に区分された。(3)骨格はいずれの品種においても雄は雌より大きいことが示された。(4)褐色レグホーンとファイオミ,タイワン地鶏とトカラ地鶏は大きさ形も互に最も近似していた。(5)赤色野鶏は,主成分分析図上のうえで,本質的には家鶏群とは離れた位置をしめていた。(6)今回の研究では89部位の中で品種間の形態的差異に大きく寄与したのは大腿骨最大長,大腿骨内側長,脛足根骨最大長,脛足根骨軸長,寛骨最大長,腸骨最大長,脛足根骨近位端斜角幅,足根中足骨最大長,前腸骨翼最小幅,両寛骨臼間幅,対転子間幅であった。
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