甲状腺ホルモンに対する軟骨の反応を研究するため,サイロキシン(T4)またはトリヨードサイロニン(T3)を毎日体重1kg当たり200μgを注射し,連続7日間注射した後気管軟骨をとり出してDNA,RNA,タンパク質含量およびオルニチン脱炭酸酵素(ODC)活性を測定した。
甲状腺ホルモン,特にT3処理は食塩水注射の対照鶏に比べ軟骨中DNA,RNA濃度を高めた。またODC活性の増加と一致して軟骨のプトレシン,スペルミジン濃度も高めた。この結果は,伴性矮性鶏軟骨が甲状腺ホルモン刺激に対して鶏胚軟骨と同様な反応を示すこと,従って矮性鶏軟骨の甲状腺ホルモンに対する反応欠損が矮性化の原因ではないことを示唆するものである。