岐阜地鶏の抱卵鶏,産卵鶏及び雄鶏の下垂体前葉前部腺体並びに後部腺体の細胞膜画分について放射性ヨード標識ニワトリ血管作用性腸ペプチド(VIP)に対する特異的結合量を測定した結果,蛋白質1mg当たりの特異的結合量は抱卵鶏においては前部腺体の方が後部腺体よりも多かったが,産卵鶏や雄鶏では両腺体間に差異は認あられなかった。前部腺体における特異的結合量は抱卵鶏が最も多く,次いで産卵鶏であり,雄鶏は最少であった。抱卵鶏の前部腺体の特異的結合量が産卵鶏や雄鶏よりも多いことは,下垂体前葉におけるVIPのレセプターを介するプロラクチン分泌促進作用にもとずく抱卵行動と関係しているものであろう。