日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
七面鳥の成長とテストステロン
2.去勢とテストステロン投与がと体歩留,と体構成,及び成分組成に及ぼす影響
丸山 公明Morse B. SOLOMON尾野 喜孝
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1996 年 33 巻 3 号 p. 153-161

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抄録

七面鳥のと体歩留,と体構成,と体成分組成及び精肉の成分組成に及ぼす影響を検討した。試験区の設定にはテストステロン投与と去勢の2要因による2×2要因配置法をとった。去勢手術は9.5週齢時に行い,テストステロン埋没処理は11週齢時に体重1kg当たり20.0mgになるように行った。試験区当たり6羽を21週齢時にと殺し,と体特性及び化学的成分組成を調べた。と体歩留はテストステロン投与により増加した(P<0.05)が,去勢はと体歩留には影響を及ぼさなかった。腹腔内脂肪はテストステロン投与により減少した(P<0.05)が,去勢には影響されなかった。一方,皮膚重量はテストステロン投与で増加し,去勢で減少した。と体を各部分肉に分け,それらの歩留と精肉の歩留をみてみると,手羽肉の歩留はテストステロン投与により減少し(P<0.05),逆に去勢により増加した(P<0.05)。むね肉の精肉歩留がテストステロン投与によって増加し(P<0.05),したもも肉とその精肉歩留が去勢によって減少した(P<0.05)のを除き,部分肉とその精肉歩留はテストステロン投与あるいは去勢の影響を受けなかった。去勢はと体成分組成には影響を及ぼさなかったが,テストステロン投与はと体の水分含量を増加させた(P<0.05)。部分肉の成分組成では,むね,うわもも及びしたもも肉は去勢の影響を受けなかったが,むね肉の水分含量だけはテストステロン投与によって増加した。

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