本実験では生殖原基に移動した直後(ステージ17-20の胚)の鶏始原生殖細胞(PGCs)おける分裂期の割合とDNA量を共焦点レーザー顕微鏡で解析した。
分裂期の割合は胚の発育にともなって8.0から21.6%に有意に高くなった。PGCsの核内DNA量をヒストグラムで表すと,2つのピーク(第一と第二)が全てのステージ胚で認められた。第一ピークにおけるDNA蛍光量は第二ピークのそれと比較しておよそ半分であった。分裂期のPGCsにおけるDNA蛍光量は第二ピーク近くあるいはそれ以上であった。
以上の結果より,生殖原基に移動した直後のPGCsは核内DNA量が周期的に変化し,胚の発育にともなって急激に増殖すると考えられた。