日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
生殖原基に移動した直後の鶏始原生殖細胞における分裂期の割合とDNA量の解析
前田 照夫
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1999 年 36 巻 1 号 p. 1-8

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抄録

本実験では生殖原基に移動した直後(ステージ17-20の胚)の鶏始原生殖細胞(PGCs)おける分裂期の割合とDNA量を共焦点レーザー顕微鏡で解析した。
分裂期の割合は胚の発育にともなって8.0から21.6%に有意に高くなった。PGCsの核内DNA量をヒストグラムで表すと,2つのピーク(第一と第二)が全てのステージ胚で認められた。第一ピークにおけるDNA蛍光量は第二ピークのそれと比較しておよそ半分であった。分裂期のPGCsにおけるDNA蛍光量は第二ピーク近くあるいはそれ以上であった。
以上の結果より,生殖原基に移動した直後のPGCsは核内DNA量が周期的に変化し,胚の発育にともなって急激に増殖すると考えられた。

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