2000 年 37 巻 6 号 p. 334-340
平行型電極と針状電極を用いたエレクトロポレーション法により鶏初期胚にマーカー遺伝子Green Fluores-cen Protein (GFP)の導入を試みた。外来遺伝了を放卵直後の胚盤葉に注入した。今回の実験では27ゲージの注射針をマイナス極とした。処理後3日問孵卵を行い,鶏胚でのGFP遺伝子の発現を観察した。生存率は針状電極で約65% (48/74),平行型電極で約53%(29/55)であり,両電極間に有意な差(P>0.05)は認められなかった。一方,GFP遺伝子の発現は針状電極で約48% (23/48),平行型電極で約7% (2/29)であり,両電極間に有意差(P<0.01)が認められた。GFP遺伝子は両電極ともモザイク的な発現であった。
エレクトロポレーション法において,平行型電極より針状電極を用いた方が鶏初期胚への外来遺伝子導入はより効果的であると考えられる。