抄録
さきに, 初生ヒナの体脂肪含量は, 飼料組成により, 容易に, しかも可逆的に変化することを認め, 体脂肪を増加させる脂肪生成型飼料と, 減少させる脂肪分解型飼料に区分できることを示した1,2,3)。また, 腹腔内脂肪含量が体脂肪含量に正比例していることも明らかとなった6)。
本研究では, 肉用種一代雑種の8週齢ヒナ130羽を用い, 2回の実験を行なった。ヒナは, 脂肪生成型飼料を与えて, 6日間予備飼育した後, 雄4羽, 雌4羽ずつに区分し, 試験用飼料を与えた。予備飼育の前後, および試験用飼料給与後3および6日目に, それぞれ個体別に腹腔内脂肪と肝臓を摘出して, 重量を測定した。
脂肪生成型飼料を与えると, 予備期間を含む12日間に, 正常に発育し, 腹腔内脂肪はほぼ直線的に増加した。試験用飼料給与後6日目の成績から, 飼料中のTDN含量を20%下げることと, 蛋白質含量を9%上げることとは, 同程度の脂肪分解効果を示し, しかも, 互に独立であった。これは, 初生ヒナによる知見と一致する。
このデータから, 飼料蛋白質1%は, 代謝エネルギー-9.44kcal/gにほぼ等しく, あるいは, 摂取蛋白質1gは, -1.38kcalに相当するものと推定される。