日本予防理学療法学会雑誌
Online ISSN : 2436-9950
症例報告
腰痛に対して教育的アプローチを中心とした介入を行った訪問リハビリテーションの一症例
石本 泰星 三木 貴弘殿尾 守弘
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 1 巻 p. 32-38

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抄録

【目的】本研究の目的は腰痛を有する症例に対する教育的アプローチを主とした訪問リハビリテーションが奏功した経験を報告することである。【方法】対象は脊柱固定術後70 日経過した70 歳代の女性である。対象には週2 回,1 回40 分の訪問リハビリテーションが3ヵ月間提供された。内容としては教育的アプローチ,運動療法および有酸素運動,仕事作業練習を実施した。アウトカム指標は日本語版Roland-Morris Disability Questionnare(以下RDQ)をメインアウトカムとし,疼痛,破局的思考,精神状態,身体機能を訪問リハビリテーション開始時と終了時また訪問リハビリテーション終了から6ヵ月後に測定した。【結果】教育的アプローチを主とした多面的な介入を3ヵ月間実施した結果,日本語版RDQ や疼痛,破局的思考,精神状態,身体機能において大きな改善を認めた。またその効果は訪問リハビリテーション終了から6ヵ月後も維持されていた。【結論】訪問リハビリテーションにおける多面的な介入は,腰痛による日常生活の機能障害,破局的思考,精神状態に好影響を与える可能性が示唆された。

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© 2022 一般社団法人 日本予防理学療法学会

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