2025 年 5 巻 1 号 p. 20-27
【目的】当院における多疾患併存(multimorbidity)を有する患者の再入院の現状を知り,再入院に関連する因子について明らかにすることを目的とした。【方法】当院に入院した患者の中で退院後,経過の追跡および各種データ抽出が可能であった331人の中からmultimorbidityを有する患者223人を対象とし,診療カルテおよびリハビリテーション実施記録から後方視的に情報収集を行った。評価項目としては基本属性,在宅医療サービス利用の有無,FIM認知合計スコア,FIM運動各項目スコアを対象とした。【結果】Cox比例ハザード回帰分析において運動FIM上半身・下半身更衣の非自立が再入院について調整ハザード比3.04(95%信頼区間:1.57-5.89,p=0.001)と有意な関連を示した。【考察】 運動FIM上半身・下半身更衣の自立が再入院リスクを軽減させる可能性が考えられた。