抄録
「目的」本研究の目的は、介護保険サービス利用者において、訪問リハビリテーション(以下、訪問リハ)における理学療法介入の有無により、要介護度の経時的変化に違いがあるか調べることである。 「方法」研究デザインは、後ろ向きコホート研究とした。対象は 2013 年 4 月から 2015 年 3 月までに、要介護認定の更新が行われた当院併設の訪問看護ステーション利用者とした。理学療法介入の有無により、訪問リハ群と非訪問リハ群の 2 群に分けた。アウトカムは、訪問サービス開始時から要介護認定更新時における要介護度の変化量とし、得られたデータを用いて 2 群間 の比較を行った。 「結果」本研究の対象は、訪問リハ群 13 名、非訪問リハ群 9 名であった。要介護度の変化量は、 訪問リハ群- 0.3 ± 0.9、非訪問リハ群 0.7 ± 0.9 であり、有意な差を認めた。 「結論」訪問リハにおける理学療法介入が、日常生活の介護状況を改善または維持するために有効なサービスであると示唆された。