理学療法の臨床と研究
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症例報告
5年間にわたり側弯体操を行った思春期特発性側弯症の一症例
細野 健太田島 進
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2016 年 25 巻 p. 97-99

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抄録
思春期特発性側弯症 (AIS) は進行性の疾患であるため、経過に関する長期的なデータは重要である。側弯体操を 5 年間継続した症例について治療経過を報告する。症例は特発性側弯症と診断された 8 歳の女子である。Th9-L4 が左凸のシングルカーブを呈しており、Cobb 角は 6°であっ た。ホームエクササイズを主体とし、側弯体操を毎日約 20 分間実施するよう指導した。ホームエクササイズの実施頻度は週 5 回程度実施し、5 年間で身長が 19.3cm 増加し、Cobb 角は 11°(+5°) に増加した。体幹筋力は向上し、体幹関節可動域も拡大した。AIS の治療効果の判定は Cobb 角の変化によって捉えられており、Cobb 角 6°以上の増加が「悪化」と定義されている。今回、側弯体操を長期間継続して実施することで、AIS 患者の Cobb 角の増加を抑える可能性を示すことができた。
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© 2016 公益社団法人 広島県理学療法士会
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